30 8月 嘘は顔に出る!騙されたくない人のための嘘の見抜き方
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こんにちは。
国際パフォーマンス研究所の由岐中です。
誰だって、騙されたくはありません。かといって、自分以外の全員を疑い続けるのは疲れるし、何よりいい気持ちはしませんよね。
そこで今回は、目の前の相手が本当のことを言っているかどうかを見抜くポイントをご紹介します。
表情筋から読み取る
私たち人間は、嘘をつこうと思った時、自分の意思で動かしやすい筋肉と動かしにくい筋肉があります。例えば、口の周りの筋肉(口輪筋)は動かしやすい筋肉で、意思に従って自由自在に動かせます。ですから、嘘でも口角を上げて微笑んで見せたり、大口を開けて笑ったりすることは比較的簡単にできます。
一方、目の周りの筋肉というのは、口ほど瞬時に自由自在に操ることは、なかなかできません。しっかり訓練された俳優レベルじゃないと、難しいでしょう。
つまり、口は動いていても目が動いていない時には、相手が何らかの「演技」をしている可能性が高いといえます。例えば、あなたが何かを相談した相手が「私に任せておけば大丈夫ですよ」と答えたとします。この時、口はニッコリ笑っていても、目は「しめた」とばかりにあなたを見つめっぱなしだったとしたら、何か裏に意図があると考えるべきでしょう。また、ポリグラフ検査(通称:嘘発見器)でまばたきを測ることがあるのは、目の周りの筋肉は意図して動かしづらく、嘘をつくときには最初のまばたきまでの時間が長くなったり、質問に答えたあと回数が減ったりするからです。まさに、「目は口ほどにものをいう」ですね。
このことについて、最初に専門的に研究したのは、フランスの医師であり神経学者のデュシェンヌです。彼は電気刺激による神経疾患の診断・治療、表情研究に取り組み、電気生理学の発展に貢献しました。
さて、彼はどんな実験をしたかというと、被験者の顔に電極を張り巡らし、刺激を与え、その刺激で筋肉がどう動くかを調べました。その結果、目の周りの筋肉(眼輪筋)、口輪筋はともによく動くことが分かりました。さらに、電気刺激によって微笑みや笑顔に似た表情を引き起こすこともが可能だということもわかりました。
こういった実験の結果、1962年にデュシェンヌはこう書きました。
「偽りの喜びである嘘の笑いでは、大頬骨筋が動くが、眼輪筋を収縮させることができない」
本当に面白いことがあった時には、顔の上半分も下半分も同時に、楽しい喜びの感情で動き出します。ところが、口だけが動いで目が動かないのは、顔面統制や表情管理と呼ばれる「偽りの表情」なのです。
自分をいい人に見せようと思って笑顔を作ったとしても、動かしやすい口の周りだけが動いて、目がついてこないのです。
ではあなたはどうするか?
このように、相手の顔の動きが上下で揃っていなかったら、すぐにその人を信用しないことです。どんなにいい内容に思える話であっても、真実を確かめられるまでは軽はずみに返事をしない方がいいでしょう。なにせ相手は、表情を「取り繕う必要がある」のですから。
また、あなた自身も気を付けなくてはなりません。お世辞笑いもこの「嘘の笑い」の例です。お世辞笑いは得てして「目が笑っていない」状態になりがちです。良い関係を保とうとしてお世辞笑いをするものですが、お世辞笑いをしているとバレてしまうと、逆にあなたの信用が下がることにもなってしまいます。
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著者紹介

由岐中一順
株式会社国際パフォーマンス研究所 事業部長
1986年生まれ。
慶應義塾大学理工学部卒業、東京大学大学院修了。
新卒で外資系審査会社に勤務し、独立を経て2018年4月から現職。